硯の豆知識 Ⅰ


○石質

ー粒度ー

硯の材は堆積岩=輝緑凝灰岩・粘板岩・頁岩

何千万年、数億万年前微粒の土が海底に沈殿し重なり合って固まったもの。

地球の地殻変動で現在の陸上で採掘できる。

 

ー密度ー

硯の品度は密度が一番重要

畜堆積された時間が長ければ長いほど圧力を受けて粒と粒の間の空間がなくなる。

気泡のないものほど湿潤を感じ、作硯されれは品位の高い硯となる。

 

 

ー鋒鋩ー

この説明は硯に関係する書物には絶対不可欠のものであります。

硯面に鉱物質の微粒子があり、ワサビおろしの目の如く、鋸の目の如きもので

それによって墨が摩られ墨汁ができる。

鉱物質の微粒子結晶体がそれぞれ独立し、満遍なく石材中に含まれているか

どうかが問題となる。

 

○材質

作業用語で硯背となるところを平(ひら)といい、硯側となるところを小口(こぐち)という。

特例はあっても、一般に輝緑凝灰岩は平と小口の堅さはだいたい同じくらいで、

強いていうなら2割りくらい小口が堅いようだ。

粘板岩ではその差が大きく、平に対して小口は5割りくらい堅く、頁岩は平・小口とも

だいたい同じ。このようであるので作硯・作務も同一的にはいかない。したがって

作硯されたものにも表れますので、承知おき下さい。

                         

 

                       詳しくは著書「日本の硯」にてご覧下さい